ギャンブル依存症は賭けごとがやめられない病的な状態をいいます。競馬やパチンコなどの賭けごとにのめりこんで、度を越すと多額の借金をかかえてしまうなど、社会的、経済的に破綻をきたしていきます。日本国内においてギャンブル依存の割合は1.7%(厚労省:久里浜医療センター)で、これは国際的にみても高い水準です。スマートフォンなどで手軽にギャンブルができるような環境にになってきており、今後ますます依存者の増加が懸念されます。2018年に「ギャンブル依存症対策基本法」が施行されるなど、社会的に深刻な問題となってきています。

ギャンブル依存症は本人の気持ちや性格にかかわらず、ギャンブルによる脳の機能の変化で起こるといわれています。脳では報酬系という部位の神経活動でさまざまな高揚感が伝達されます。ギャンブルによる興奮が報酬系に反応し、快楽を得るとドーパミンという神経伝達物質が放出されます。
ギャンブルをくり返すことで報酬系は感度を失い、より強い刺激や快感をギャンブルに求めるようになります。日常生活において他の喜びが感じられなくなり、ギャンブル中心の生活を送るようになってしまいます。
ギャンブルによって放出されるドーパミンは強烈であり、依存症につながりやすくなっています。ギャンブルへの依存はアルコール依存症や薬物依存症と似たような脳の高揚感を感じる仕組みに興奮が生じているためと考えられ、「ギャンブル障害」という精神疾患として扱われます。
ギャンブル依存症にはWHO(世界保健機関)の「ICD」とアメリカ精神医学会の「DSM」という2つの国際的な診断基準があります。日本でのギャンブル依存症の診断には「DSM」が使われるケースが多くなっています。
ここでは参考に*LOSTのセルフチェックを掲載します。
ギャンブル等依存症セルフチェック LOST
以上にあげたチェック項目に2つ以上当てはまるようであれば、要注意です。ギャンブル依存症の可能性があるかもしれません。自分1人で解決しようとするのではなく、近くの保健所や都道府県・政令指定都市にある「精神保健センター」に相談するようにしましょう。
ギャンブル依存症から回復する方法としては、「医療機関での治療」「自助グループへの参加」「依存症回復施設でのリハビリ」があります。
●医療機関での治療(2020年度から健康保険が適用)
●自助グループ(民間の団体)への参加……参加者同士でギャンブルについての体験談を共有し、同じ問題に取り組む仲間と出会うことで、悩んでいるのは自分だけではないことを理解します。また、ありのままの体験を語っても責められないことで、自分の心情を正直に語ることができるでしょう。
●依存症回復施設でのリハビリ……他の経験者や回復者が参加する集団プログラムが有効です。ギャンブル依存症は再発が懸念されるのですが、1年間はギャンブルをやらないというような目標をたてて依存症からの脱却を図ります。