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早期発見が重要となる大腸がん検査の内容は?

2017年、わが国の大腸がんの死亡者数は約5万3,000人。全がんのうち男性3位、女性では1位となっています(国立がん研究センター)。腸内にポリープができて、それががんとなっても、自覚症状が現れるまでには2年以上の潜伏期間があるとされ、気づいたときには手遅れだったというケースが少なくありません。その一方で、大腸がんは早期に治療することによって治りやすいがんなので、早期発見が重要になってきます。

罹患者が1番多い大腸がん

 大腸がんと診断される人は増加を続けています。2017年の罹患者(新たに大腸がんとなった患者)は約15万人にのぼり、全がんのうち1位となっています。大腸がんは、進行すると便秘、下痢、血便、腹痛、便が細くなるなどの症状が現れてきますが、そうした自覚症状が出る前、早期に見つけることが重要です。

 そのためには定期的に大腸がん検診を受けることが不可欠です。大腸がん検診として広く行われているのが便潜血検査で、各自治体が住民を対象に行っているほか、ほとんどの場合、人間ドックの項目にも含まれています。大腸にがんがあると、そこから出血して便に血液が混じることがあります。この検査では便をとって、目で見てもわからない微量の血液が混入していないかを調べます。

 便潜血検査の結果が陽性の場合、精密検査として大腸内視鏡検査が行われます。検査は大腸が空っぽの状態で行わなければならないため、事前に下剤をのみます。先端にカメラの付いている内視鏡を肛門から大腸に挿入し、大腸内の状態を観察します。この段階でポリープが見つかれば必要に応じて切除します。

 大腸がん検診を毎年受けていれば、約90%は治せる段階で発見できるので、年1回は大腸がん検診を受けましょう。大腸内視鏡検査は人間ドックのオプションになっていることが多いので、希望すれば受けることができます。便潜血検査が陰性でも50歳になったら一度受けてみることをおすすめします。便潜血検査の結果、陽性となって大腸内視鏡検査を受ける場合は、健康保険が適用されますが、検診の目的で内視鏡検査を受ける場合は全額自己負担となります。

体への負担が少ない大腸がんの検査法

 大腸内視鏡検査より体への負担が少なくてすむ検査法として、CT(コンピュータ断層撮影)コロノグラフィ―検査やカプセル内視鏡検査などがあります。これらの検査法で6mm以上のがんやポリープを9割程度発見できるとされますが、大腸内視鏡検査よりも精度は低く、また、内視鏡のようにその場で切除することはできません。これらの検査を実施している医療機関はそれほど多くないので、希望する場合は医師に相談する必要があります。

■CTコロノグラフィ―検査
 肛門から直腸・大腸内へ空気を注入してCT撮影を行い、画像から三次元画像を作成して大腸がんの有無を調べる検査です。痛みはほとんどなく、所要時間は10分程度、健康保険が適用されます。ただし、この検査で大腸がんの疑いがある場合は、改めて大腸内視鏡検査を受ける必要があります。

■カプセル内視鏡検査
 長さ約3cm、直径約1cmのカプセルにカメラと無線装置が内蔵され、水でカプセルを口からのみ込むと、カプセルが腸内を通過しながら内部を撮影していきます。撮影されたデータは、体に装着したデータ受信機に送信され、腸内を通過したカプセルは肛門から排出されます。検査には平均5~6時間を要します。
 大腸の癒着などのために大腸内視鏡検査を行うことが難しい場合、健康保険が適用されます。

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