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「溶連菌感染症」の症状、治療法、ホームケア

冬季および春から初夏にかけて流行しやすい「溶連菌感染症」。幼稚園や保育園、学童期の子どもには身近な病気の一つです。かかった場合の治療法、ホームケア、注意したい合併症などについてご紹介します。

溶連菌感染症の症状

 溶連菌感染症は溶血性連鎖球菌(溶連菌)による感染症で、代表的な症状は、のどの痛み(扁桃炎や咽頭炎)と突然の発熱(38~39℃)です。おう吐や全身の倦怠感、舌の表面にブツブツが出て赤く腫れる苺舌(いちごじた)などの症状がみられることもあります。そのほか、リンパ節の腫れ、全身や体の一部分に赤い発疹が現れる場合もあります。かぜとは違い、せきや鼻水はほとんど出ません。

溶連菌感染症の感染経路と潜伏期間

 感染経路は飛沫感染、接触感染です。感染した人の唾液に含まれる溶連菌を、身近にいる人が直接吸い込む、あるいは菌のついた手で口や鼻に触れるなどによって菌が体内に入り感染します。潜伏期間は2~5日で、発症初期の急性期の感染力がもっとも強く、とくに家庭内での感染に注意が必要です。溶連菌感染症は大人もかかるので、子どもが感染した場合はきょうだいだけでなく、親も注意が必要です。

溶連菌感染症の検査・治療・合併症

【検査】
 医師による診察のほか、迅速診断キットなどを使用してのどについた細菌を調べる検査などを行います。検査結果は5~10分ほどでわかります。

【治療】
 溶連菌感染症の治療には抗菌薬(主にペニシリン系)が使用されます。溶連菌には抗菌薬がよく効くため、服用を開始して24時間ほどを経過すると発熱やのどの痛みなどの症状が治まってきます。もし、抗菌薬をのみ始めて24時間を過ぎても症状の改善がみられない、または悪化するような場合には、抗菌薬が効いていない可能性もありますので、放置せずに再度受診しましょう。

 症状が消えても、抗菌薬は処方どおりに最後までのみきらなくてはいけません(抗菌薬の種類によって違いますが、だいたい5~10日間くらい服用します)。自己判断で服用を中止し、細菌を完全に退治できなかった場合には、再発や治りにくい合併症を起こす危険性が高くなってしまいます。

 抗菌薬をすべて服用したら、発症から2週間後くらいに尿検査を受け、腎臓に異常がないことを確認しておけば安心です。医師にすすめられたら、必ず受けるようにしましょう。

【合併症】
 溶連菌感染症の合併症としてとくに注意が必要とされているのは、リウマチ熱と急性糸球体腎炎です。抗菌薬による治療が不十分な場合、発症数週間後に起きることがあります。合併症を起こすと、心臓や腎機能に障害が残る可能性もありますので、抗菌薬で確実に溶連菌を退治することと、抗菌薬による治療を終えたあとも子どもの様子に注意し、経過を観察することが大切です。

ホームケアのポイント

 溶連菌感染症はのどの痛みが強いため、食欲がなくなったり、食欲があっても満足に食べられないことがあります。そのようなときはゼリーやプリン、ヨーグルトなどののどごしのよいものや、おかゆ、煮込みうどんなど消化のよい食べものを少しずつ食べさせるようにし、熱い、からい、すっぱいなど刺激のある食べものは避けましょう。なかなか食べものが摂れないときは、水分だけでもしっかり摂るようにしましょう。

登校(園)はいつから?

 適切な抗菌薬の服用によって、治療開始後24時間ほどで感染力はなくなりますので、それ以降は登校(園)が可能になります。医師の指示に従い、子どもの様子をみて判断しましょう。

まとめ

 溶連菌感染症は、抗菌薬によって比較的スムーズに回復する病気です。きちんと治療すればそれほど心配はありません。服用を始めて症状が治まっても、合併症を防ぐためには必ず医師の指示どおりにのみきることが重要です。

(制作部 S)

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